ラエンネックとは人の胎盤を原材料にして作られた プラセンタ注射の1つであり、慢性肝疾患の治療薬として認可されています
1.組成・性状
【組 成】
本剤は、ヒト胎盤酵素分解物の水溶性物質を1管2mL中
112mg含有する。
1管2mL中
販売名 | ラエンネック | |
有効成分 | 胎盤酵素分解物の水溶性物質 有効成分 (ヒト胎盤由来成分 | 112mg |
添加物 | pH調整剤 | 適量 |
ペプシン(ブタ、胃粘膜)、乳糖(ウシ、乳)を製造工程中で使用
【性 状】
販売名 | ラエンネック |
外観 | 淡黄褐色 ~ 黄褐色の澄明な液 |
におい | 特異なにおいがある |
㏗ | 5.5~6.5 |
浸透圧比* | 約1 |
*生理食塩水に対する比
2.肝疾患の治療薬 ラエンネック
肝疾患とは、多くはB型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイル
スがその原因とされている「肝臓の病気」です。この肝臓への疾患が半年以上も炎症として続く状態を慢性肝炎と言います。※肝臓の中に住み着いて炎症を起こす肝炎ウイルスはA~Eまでの種類があります。知名度の高いB型やC型は輸血や注射・ピアス・入れ墨・性行為などの行為を経てウイルス保持者から感染します。

肝疾患は、他にもアルコールが原因であったり、血液中の脂肪やコレステロール過多が原因とされる非アルコール性脂肪肝、自己の免疫異常といった場合もありますが、症状が進行すると肝硬変になったり、お腹に水が溜まったり、最悪の場合は「肝臓がん」を発症したりします。いずれにしても、肝臓がほとんど機能しなくなる病気なのでまともな生活は無理でしょう。
この人間の最も大きな臓器である「肝臓」の病気の治療にラエンネックが活躍しています。 ラエンネックが肝臓に与える影響として次のようなものが確認されています。
・肝臓の細胞再生を促進
・肝細胞のDNA合成促進
・肝臓障害(ALT値異常)の抑制
また、肝線維や肝硬変といった疾病の原因となる「肝臓に蓄積する中性脂肪の増加」を阻害します。※肝線維とは肝細胞が自己修復する過程で生じる線維化(傷跡)のようなものですが、重症化すると肝硬変(肝臓が固くなり浮腫(むくみ)・腹水・黄疸(おうだん)が生じる病気)に繋がります。
ラエンネックには、生理活性物質、タンパク質、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、サイトカイン、活性ペプチド、酵素など多くの非常に多くの栄養素が豊富に含まれています。
3.ラエンネックの美容効果
本来は肝炎の治療薬とされていたラエンネックですが、それ以外にも多くの美容効果が確認されている事から、保険適用外ではあるものの、全国の美容系のクリニックでは「アンチエイジングの施術」として活用されている面もあります。
■ラエンネック注射や点滴による美容と健康効果
・シミ、シワ、ニキビの改善、コラーゲンを増やし肌の保湿、ハリやツヤをもたらす
・老化の原因と言われる活性酸素の働きをなくす抗酸化作用
・生理痛、生理不順、更年期障害の緩和、ホルモンバランスを整える作用
・抗アレルギー作用があり花粉症、アトピー性皮膚炎等にも効果がある
・血行促進や疲労回復作用による肩こりや冷え性の緩和
・白髪予防や育毛の効果
・自己免疫力の強化
・乳汁分泌不全(いわゆる産後の母乳の分泌量)を増やす効果
などの効果があるとされています。
ラエンネックは、分子分画法と言われる抽出方法を改良した独自の製法で人間の胎盤を使ってプラセンタエキスを抽出しています。
別名ラエンネック製法と言われるこのプラセンタの有効成分を破壊せずに抽出する方法は、日本生物製剤社にしか出来ない独自の製法とされています。 このプラセンタエキスは人間の胎盤をもとに製造されている為、日本では市販されている化粧品やサプリメントとして配合される事はありません。
4.ラエンネックの副作用
ラエンネックの副作用として次のような事が懸念されています。
発熱・発疹・痒み・頭痛や肝機能障害、また注射後にショックを起こす事もあるそうです。また、高齢の方やアレルギー体質の患者への投与も注意が必要です。
ラエンネックの安全性としは、多くの実績はもちろん、感染症や伝染病を始めとしたさまざまな ウイルス検査をすべてクリアしている事が条件であるため、その信頼性は高く保たれています。
さらに提供元になるドナーの梅毒トレポネーマやHBV、HCV、HIVや細菌感染、海外渡航も検査されます。
ただし、ラエンネックを摂取すると、日本赤十字社の献血規定により献血が出来なくなりますのでご注意ください。
いずれにしても、発売以降現在にいたるまで、ラエンネック投与によるエイズやウイルス系の肝炎など、重篤な感染症への報告はございません。
参考文献
日本生物製剤 HP http://jbp.placenta.co.jp/